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さらに偏見の独り言


by kawa-d
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背中で語る

 どうも引きこもってるといけませんなぁ。ついついあれやこれやと余計な

ことを考えてしまいます。で、気分転換とばかりお忍びでwいつもの書店へ。

 

「高倉健の背中」大下英治著 祥伝社文庫


 俳優高倉健と監督降旗康男の半世紀にわたる20本の作品をもとに、

作品の舞台裏や逸話が綴られる、名優と名監督の軌跡の一冊です。


「つくづく役者は、生き方がそのまま背中ににじむものだ」


 両者の作品をずっと撮り続けた名キャメラマン、木村大作氏がいう、

高倉健という役者の生き様。

 その場に居たものだけが語れる、役者の凄み。作品作りの裏側には底知

れぬ苦労と、思いやりと、気配りと、駆け引き。それにブレない強い意志

がありました。

 好きだから。と言ってしまえばそれまでですがw  大変なんですね、映

画作りは。


この本の中で、「冬の華」、「駅STATION」、「居酒屋兆治」、「夜叉」、

「あ・うん」、「鉄道員」、「ホタル」、「あなたへ」。この8本の映画

が中心に語られます。


 著者もうまいですねぇ。作品の語りには、いままさに映画を見ているよ

うなそんな気分にさせられました。 しかし、よくよく考えればこの作品。

私は全て見ておりました。臨場感あふれるはずですw

 思い出せば「夜叉」のビートたけし、「鉄道員」の志村けんの両氏がひ

ときわ印象に残ってます。お二人方も名優です。


 降旗監督とは違いますが、「幸せの黄色いハンカチ」、「南極物語」、

「八甲田山」、「動乱」、「ブラック・レイン」…見てます。


 反面、任侠映画は少なく、日本侠客伝、網走番外地のシリーズものを何

本か見てます。印象的だったのは、映画の最後。着流しに長ドスもっての

お決まりの殴り込みシーン。だいたい夜ですね。健さんの着物の上前。裾

がパシッパシッと歩みに合わせて跳ねます。


 ちょっと憧れの粋なポーズですが、これが中々出来ない。すごんでも、

いからして歩いても、足を上げても着物の裾は跳ねません。

 仕立てに秘訣があって、着物の上前(正面)の幅を狭くすれば(女仕立

てといいます)素人さんでも跳ね上げることができます。練習は必要です

がねw 文中にこの仕立て方が出てました。やはりですねw


 もちろん私は元丁稚ですので知ってましたし、持ってる着物に羽織のア

ンサンブルとか浴衣とか、当然上前は幅の狭い女仕立て済み。おまけに帯

は博多献上の角帯に、底に鉛のついた雪駄履き。

 地味で控えめな丁稚ではありましたがw、そこはそれ一味違う楽しみ方

でお客様方とは一線を画しておりました!プロの嗜みですわw


 しかしこうやって見ると健さんの映画がずいぶん多いなぁ…と書きなが

ら思っています。熱烈なファンとは言い難いのですが。


背中で語る_a0089505_19083624.jpg

by kawa-d | 2021-05-11 19:09 | Comments(0)